現地メディア向けODAプレスツアーの実施:3月6日・7日

平成29年3月23日
 3月6日から7日,現地メディア向けODAプレスツアーを実施し,新聞・テレビ局各社4名のジャーナリストとカメラマンが参加しました。一行は,西ニューブリテン州(ニューブリテン島)を訪れ,ここで行われている道路や橋梁の建設や再建,JICA青年海外協力隊による活動,草の根・人間の安全保障無償資金協力を活用した活動など重要な経済インフラ整備や学校教育,感染症対策に関する協力について視察を行いました。このプレスツアーは,現地メディアが日本の開発協力についての報道を増やし,パプアニューギニアの政府関係者,知識層および一般国民に日本が実施している協力プロジェクトをよりよく理解してもらうために実施したものです。
 
 以下,視察したいくつかのプロジェクトについてご紹介します。
 
JICAボランティアの活動
 パプアニューギニアでは1980年からJICAボランティアの派遣が開始され,これまで約740名のボランティアが派遣されています。現在,国内各地に合計33名のJICAボランティアが派遣され,それぞれの分野で活動を実施しています。今回は,ジョセフ・ルアンゴ小学校におけるボランティア(感染症対策)の活動を見学しました。講師となったボランティアから生徒達に対し,パワーポイントを使った講義を実施し,生徒達は熱心に講義に耳を傾けていました。また,感染症予防のためボランティアが作成した動画も上映し,子供達からは大きな歓声が上がっていました。
このような地道な活動を通じて将来の感染症予防に大きな成果がもたらされることが期待されます。

無償資金協力「ニューブリテン国道橋梁架け替え計画」
 アウム橋及びカピウラ橋は西ニューブリテン州と東ニューブリテン州を結ぶ幹線道路上に位置し,パームオイルや農産物の輸送や住民の生活道として重要な橋梁ですが,被災・老朽化により車両及び歩行者の通行が妨げられており,一刻も早いミッシングリンクの解消が求められています。本事業は日本の協力により2橋梁を再建し,車両及び歩行者の安全な通行を確保するものです。今回のプレスツアーでは現地視察とともに工事の起工式を実施しました。現地では,日本の優れた橋梁技術に対する信頼度も高く,ミッシングリンクの解消について地方政府関係者及び地域住民から大きな期待の声が聞かれました。


草の根・人間の安全保障無償資金協力「ハエラ小学校学校拡充計画」
 パプアニューギニアにおいては,特に近年,政府の教育無償化政策によって生徒数が更に増加傾向にあり、教室数の不足や校舎の老朽化とあいまって教育環境の改善が必要となっています。日本政府はハエラ小学校から要請を受け,校舎1棟(木造2階建て、4教室)の建設及び特に老朽化が進んでいる校舎1棟(木造平屋建て、2教室)の改装を実施しました。
当日は,校長先生から,教室は授業やパソコン室として有効に活用されており,広くて新しい教室で学べることを生徒達はとても喜んでいるとの説明がありました。

 今回,プレスツアー実施後,視察をもとに当地各紙メディアが日本の経済協力について多くの報道を行いました。これにより,日本のパプアニューギニアにおける開発協力事業の取り組みについての理解が一層深まったと思います。